昨年のフィラデルフィアに続いて、今年の全米人類学会はニューオリンズ。10年ほど前に訪ねたきり行っていなかったので、楽しみにしていた。カトリーナ・ツアーに参加しようと思ったが、時間がなくて断念。ハリケーン被災の跡形もない中心街だけで終わってしまったのはがっかりだが、原油漏れ事故の後も観光は勢いが良いようで、人だかりがすごかった。学会の合間にちょっとだけ私も観光する。米国は通常公共の場でアルコールを消費することは禁じられているが、ニューオリンズをはじめいくつかの観光地では許されている。特別なお祭り気分で、ビールなどを片手に街を歩く人たち。もちろん私も加わった。フレンチ・クォーターのバーボンストリートはお酒と音楽が溢れかえる。
ニューオリンズはクレオール料理、ケイジャン料理で有名だ。スペインとフランスの植民地だった影響と、アフリカから来た奴隷の影響が特殊な文化を生み出した経緯となっている。私は前回ガンボ(野菜とシーフード、肉などを煮込んだスープ。家庭、店によってレシピが違うので、日本の鍋みたいな料理。)を試していなかったので、今回こそはと意気込んでいた。そこで自らガンボを作り、厳しい批評家でもある友人と何度か一緒に食事し、滞在中2回ガンボにありついた。1度目のガンボは、食堂というのがぴったりの小さなところ。ガンボを口にしておいしい!と思った私は、友人のほうに振り向いて「これ、おいしいよね?」というと、彼は真剣な顔をして頷いている。満足して学会に戻ると、その友人から携帯電話にメッセージが。「さっきは店の人の前でいえなかったけど、あのガンボはたいしたことなかった」。あら、そうでしたか。
私がガンボ音痴(?)がわかった友人は、もっとおいしいガンボを食べよう、と別の店に翌日連れて行ってくれた(写真)。これはオクラが入っていて(友人によると鍵になる材料)、より複雑で凝った味わい。彼のお墨付きで私も満足し、その足でカリフォルニアに帰ってきた。結局私にとってはどちらもおいしかったのだが、批評家の言葉に後味が左右されてしまったようだ。
